詐欺罪などで静岡地裁で公判中の女が神奈川県の3市から生活保護費計約300万円を不正受給していた疑いのあることが、捜査関係者や自治体への取材でわかった。すでに東京都三鷹市から生活保護を受けていたのに、重複して申請していたという。静岡県警川崎市から生活保護費をだましとったとする詐欺容疑で、近く逮捕する方針だ。

 逮捕されるのは、住所不定、無職春日野美保容疑者(48)。捜査関係者によると、2009年5月から三鷹市から生活保護を受けていることを伏せたまま、昨年2~5月、川崎市生活保護を申請し、約65万円をだまし取った疑いが持たれている。

 春日野容疑者は、相模原市にも生活保護を申請し、12年12月~昨年9月に約176万円をだましとったとする詐欺容疑で今年4月に静岡県警に逮捕されている。6月には、藤沢市からも昨年10月~今年1月に約65万円をだましとったとして同じ容疑で逮捕、起訴されている。春日野容疑者はすでに逮捕された容疑については大筋で認めているという。昨年2~5月は、三鷹、川崎、相模原の3市から同時に生活保護を受けていたことになる。

 厚生労働省によると、住民登録がなくても居住実態があれば生活保護の申請はできる。静岡中央署には、神奈川県の3市のほか、都内の5市区からも春日野容疑者が生活保護費を不正に受給した可能性があるとの連絡が入っているという。

(8/28朝日新聞)